ホームインスペクション 既存住宅状況調査

宅建業法改正により既存住宅状況調査が法令上に位置付けられました。


まず既存住宅状況調査という言葉は今回の宅建業法改正に伴い作られた言葉で、改正以前は既存住宅現況検査と呼ばれていました。


一般的には住宅診断やホームインスペクション等と言われ、アメリカでは取引全体の7割以上でホームインスペクションが行われています。

今回の業法改正では、既存住宅の売買の仲介等について

1.媒介契約締結時

2.重要事項説明時

3.売買契約締結時

の3つ(貸借の仲介については2.)の時点で対応が講じられることになりました。





1.媒介契約締結時
 
一般的に標準媒介契約書には、既存住宅状況調査を実施する者のあっせんの有無を記載する欄が特に設けられています。



既存住宅状況調査の実施については義務があるわけではありませんが、購入予定者にも既存住宅状況調査が実施されている物件か否かが知らされますので、解体予定の建物でない限り、既存住宅状況調査の実施を勧めたほうがよいでしょう。


また、劣化事象がなく瑕疵保険適用の物件だと、買主はローン減税や給付金などの優遇措置が受けられるため、住宅購入者にとっては価格に加えこれらの補助制度が利用できるかは購入判断材料になり、売却しやすいなどのメリットも合わせて説明を行います。


仲介事業者が既存住宅状況調査を実施する者のあっせんをしない場合でも、その物件がすでに既存住宅状況調査をしているのであれば、その内容について説明を行うことは必要になります。




売主が過去1年以内に既存住宅状況調査を行っている場合には、その調査結果を使用できますので、新たに調査を行う必要はありません。


過去に既存住宅状況調査を行っていたとしても、その後に不具合が生じた個所があった場合は再調査が必要になります。


調査実施者については、住宅瑕疵担保責任保険協会や日本建築士会連合会など既存住宅状況調査技術者講習実施機関のホームページの既存住宅状況調査技術者の検索などで見つけることができますが、そのリストを提供するだけではあっせんしたことにはなりません。




あっせんには調査実施者の会社概要だけでなく、調査項目や見積額を伝達するなどの調査実施に向けてのやり取りを具体的に手配することまでが含まれます。



白蟻や給排水設備などのオプションがあればその説明もしておいたほうがよいでしょう。
 

また、調査後に不具合が生じた場合に備えて既存住宅売買暇庇保険への加入の可能性を考えると、住宅暇疲担保責任保険協会に検査会社登録を行っている調査実施者を紹介したほうが良いと思います。。


既存住宅状況調査では床下や天井裏など点検口がなく調査できない場合はその旨を記載すればよいのですが、保険適用の調査では全ての部位で調査を行うことが必要なため、床下に潜れる、床下収納がある、天井点検口(ユニットバスの天井等)がある、押入れの天井が開けられる、などは事前に宅建業者が部位を確認しておくことも必要になります。



確認できない住宅の場合は、前もって和室の畳を上げて床を解体したり床下点検口や天井点検口を設けるなど、大工などの工事業者の手配が必要になるほか、その費用も前もって確認し売主に了解を得ておくことが必要になります。


また、保険適用の場合保険料は売主が支払うのか買主が支払うのか、または宅建業者が支払うのかの取り決めも必要になります。


昭和56年6月以前の旧耐震の住宅に関しては、暇庇保険に加入することはできません。

旧耐震の木造住宅の場合には耐震改修工事を買主が希望することが少なくありませんので、耐震診断を含めた調査を既存住宅状況調査と合わせて実施し、耐震改修費用の概算も提示できるようにするとよいでしょう。


媒介の当事者である宅建業者は調査実施者になることはできませんが、売買に直接利害関係のない関連会社(グループ会社)をあっせんすることはできます。


あっせんしたからといって、調査の内容や結果についての責任は調査実施者が負うものですから、仲介事業者が責任を負うものではありません。


既存住宅状況調査の費用は売主または売却を依頼された宅建業者が負担するのが今回の業法改正の流れになっていますが、インスペプションが普及しているアメリカでは買主がインスペクターに依頼して調査するというのが通常です。


売主がインスペクターに依頼して調査するのは正当な調査にならないという考えに基づいているものですが、将来的には買主側の費用負担で買主側の調査事業者による既存住宅状況調査が主流になる可能性も否めません。


宅建業法も今後の状況を踏まえて5年後の見直しが予定されています。


買主から既存住宅状況調査が行われていない物件の仲介を依頼され、買主が既存住宅状況調査を希望する場合については、売主側の宅建業者を通して、売主の調査受け入れの承諾や時期を前もって聞いておくことが必要になります。


また、調査時に売主の立ち会いを求めるのが、後日の不測のトラブル防止につながります。



このような場合、調査結果を待つ間に物件がほかの人に売れてしまうリスクもあるため、売買契約を先行するケースも考えられますが、調査の結果、思った以上の改修工事が必要と判定されても、そのことを理由に売買契約を撤回することはできませんので、注意が必要です。(ただし今後の判例などが増えるに従い考え方が変わってくる可能性もあります)





2.重要事項説明時

重要事項説明書には既存住宅状況調査の実施の有無を記載し、実施していた場合には調査概要書について説明することになります。

すべての項目で劣化事象が無ければ問題ありませんが、劣化事象有りの項目については、買主は心配します。


そのため、調査概要の説明前にこの調査は暇疲の有無を判定するものではなく、暇疲がないことを保証するものでもないことを説明しておくことも必要です。


既存住宅状況調査は建築基準法関連の法適合の判定でもないことも付け加えておくとよいでしよう。


調査実施者からは、概要書に加えて調査内容の詳細を記した調査書のコピーをもらっておきましよう。


調査書の原本は調査依頼者(売主)の所有となりますので、買主から調査書のコピーを依頼された場合には売主の承諾確認が必要になります。


不具合個所については、事実関係の説明にとどめ、後日買主から説明責任を問われないためにも、専門外である内容を詳細に説明するのは避け、調査者に連絡して説明を依頼します。


買主は不具合箇所がどの程度の不具合なのか、補修が必要なのかそれには費用はいくらかかるのか、などが重要なところです。


そのため売却の仲介の依頼があった時点で既存住宅状況調査を行い、不具合箇所を補修しておくか、補修しない場合は補修費用はどのくらいなのかを事前に確かめておくことが必要です。
 

また、重要事項説明書には建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の有無について記載します。


分譲マンションの場合は管理会社などにヒアリングすれば問題はないと思われますが、戸建住宅の場合は売主が書類内容を把握していない場合もありますので、実物を見て確認したほうがよいでしょう。
 

建築確認済証や検査済証については、金融機関から提出を求められることも多く、その存在を知らなかったり、あるいはなくしてしまったという売主もいますが、そのような場合は役所に出向き、建築確認済証や検査済証に代わる書面(台帳記載事項証明書)を入手しておくとよいでしよう。

同時に配置図などが記載されている建物の概要書も入手します。

役所での手続きには登記簿謄本から建築年月日や建物の住所(住居表示)のメモを持参しましよう。


マンションなどの区分所有建物の売買では建物の維持修繕の実施状況の記録状況も記載する項目があるので、管理会社に書類の有無を問い合わせたときに聞いておくとよいでしよう。




3.売買契約締結時

契約締結時には、宅建業法37条の改正に伴い、既存建物において既存住宅状況調査を行った場合、その結果の概要に基づき

「建物の構造耐力上主要な部分等の状況について双方が確認した事項」


について書面で交付するものとされました。


売買契約書にその記載がされていれば、これが37条書面の代わりになるため、売買契約書にはこの記載事項が必要になります。







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