固定資産税 評価額はどうやって決まる?

建物の固定資産税について裁判となる事案が増えています。


不動産は取得、保有、譲渡、収益などに対して、税金が課税されます。


そのうち固定資産税は保有に対して課税される税金です。


毎年課税され、他の税金の税額計算でも利用される、土地と建物で評価方法が異なるなどの特徴があります。


税額は一般に 

税額=課税評価額×税率

で計算しますが課税評価額の決定方法は重要で社会的な関心も高くなっています。



税額が多額となる相続税などと比較すると、固定資産税は税額が相対的に少額なこともあって、訴訟に至るケースはそれほど多くはなかったのですが、市町村によって評価額が異なる、地域の衰退によって評価額は適切な「時価」を反映しているとはいえないなど、固定資産税をめぐる訴訟も増加傾向にあります。



固定資産税の評価では、土地と建物で異なる評価理論が採用されていて評価理論を適切に実務処理するために、実際の実務従事者も異なっています。



土地については場所、形状、前面道路幅員、容積率などによって個別性が高く、個々の価格を適切に把握することが困難なことから、不動産鑑定士に不動産鑑定評価を依頼するなどの方法により、衡平な評価額の決定に努めています。



全ての土地の不動産鑑定評価を依頼すると徴税コストがかさむことから代表的な土地を鑑定評価し、鑑定評価した代表的な土地と土地の間は価格バランスに注意しながら道路に価格を敷設する、路線価方式を採用しています。



固定資産税の路線価は公示価格、つまり、実際に取引される際の価格に相当する「実勢価格」の70%で評価することが目安となっていて市場の取引価格をもとに評価するマーケット・アプローチを採用しています。



固定資産税の路線価は近年まで公開されていませんでしたが、現在では一部ではありますがに相続税の路線価と同様ネット上で確認することができます。



これに対して、建物は建築に必要となる費用を前提とするコスト・アプローチを採用しています。



土地については不動産鑑定士など、外部の専門家を積極的に利用する一方、家屋の評価は主として課税庁である市町村の職員が評価する点も異なります。



固定遺産税における家屋評価はコストに注目する方法のため、本質的には新築工事の見積書を再現する作業を行うことになりますが課税庁が独自に評価する仕組みとなっているため、見積書の提供を受けてそれをチェックすればよい、というわけではありません。



・評価額の考え方

家屋の評価は、木造家屋及び木造家屋以外の家屋である非木造家屋に区分し、家屋に評点数を付けて評点1点当たりの価額を乗じて評価額を求めます。


評点数は、家屋の再建築費評点数を基礎とし、損耗の状況による減点を行って付設します。


必要があれば、さらに家屋の需給事情による減点を行います。


評点1点あたりの価額は、道府県庁所在の市と東京都特別区など指定市については、総務大臣が算定して知事と指定市の市長に通知し、それ以外の市町村については指定市の価額を参考に都道府県知事が算定して市町村長に通知します。


評価額は単価や総額を直接求めるのではなく、まず、評点数を求めてそれに評点1点あたりの価額を掛けます。


工事費を直接的に「点」で求めることが基本となります。


結果的に評点1点あたりの価額は1円が基本ですので、「点」=「円」ですが、都市による物価水準を考慮する設計監理費などの費用を補正します。


評点数は、不動産鑑定評価基準の積算法とほぼ同じ考え方です。


つまり、

積算価格=再調達原価-減価修正額


に対して、固定資産税では、


評点数=再建築費評点数×損耗


の状況による減点補正率で求めます。




必要がある場合は、「需給事情による減点補正率」を掛けることになっていますが、利用されることは稀です。



寂れてしまった家屋に、需給事情による減点補正率を適用すべきかについて判決が出ました。


下級審ですので今後を見守る必要がありますが、「場所柄、とてもそのよう価値はない」といった場合に使うことがあります。




・木造家屋の評価
 
屋根、基礎、外壁、柱・躯体、内壁、天井、床、建具、建築設備、仮設工事その他工事の部分別区分により評点数を求めます。


部分別区分ごとに評点項目及び標準評点数が用意されています。


評点基準表は、在来工法が用いられ、使用する材料や工法が限定的であった時代に開発された方法ですが、材料の多様化や工法の進展が顕著な今日では、変化に対応しきれないという指摘があります。


 専用住宅、共同住宅及び寄宿舎、併用住宅、ホテル・団体旅館及び簡易旅館、普通旅館及び料亭、事務所及び銀行、店舗、劇場、病院、工場・倉庫、附属家屋、簡易附属家屋、土蔵用の評点基準表が準備されています。




・非木造家屋の評価
 
主体構造部、基礎工事、外周壁骨組、間仕切骨組、外部仕上、内部仕上、床仕上、天井仕上、屋根仕上、建具、特殊設備、建築設備、仮設工事、その他工事の部分別区分にもとづいて非木造家屋再建築費評点基準表が準備されています。



大規模建築物では集計に長時間必要となる、評点基準表に表れない部材や工法が開発されているなど、木造以上に課題が大きくなっています。










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カテゴリ:税金

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