平成30年地価公示にみる地価上昇トレンドは継続するか その2

地価動向をみると、東京圏、大阪圏、名古屋圏からなる三大都市圏では、住宅地の地価は0.7%とわずかな上昇にとどまりましたが、商業地の地価は3.9%と大きな上昇率を示しました。


大阪圏では住宅地は0.1%の増とほぼ横ばいとなったものの、商業地の上昇率は4.7%と、三大都市圏の中で最も高くなっています。


地方圏では、地方四市(札幌、仙台、広島、福岡)の上昇率が住宅地は3.3%、商業地は7.9%と、ともに三大都市圏を上回りました。


一方、地方四市以外の地方圏では、住宅地がマイナス0.5%、商業地がマイナス0.4%と、マイナス幅は縮小しているものの、引き続きマイナス成長が続いており、二極化が進展していることが分かります。



今回の公示地価で特徴的な地価上昇がみられた地点は、いくつかの特徴で分類することができます。


国土交通省は住宅地や商業地で地価上昇がみられた地点の特徴につき、「観光・リゾート需要の高まり」、「再開発事業等の進展」の2点を指摘しています。


その特徴を備えた地点は、地方四市以外の地方圏においても、高い地価上昇率を示しています。


一点目の観光・リゾート需要の高まりに関しては、年2割の上昇を示す訪日客の増加によるところが大きいです。


今回、住宅地、商業地ともに最も高い上昇率(いずれも前年比30%を超える上昇率)を示したのが、ニセコ観光圏に含まれるリゾート地である北海道倶知安町の地点です。


その背景には、訪日客増加に伴う店舗需要の増加や、外国人による別荘地需要の高まりがあります。


また、国内外の観光客が増加した高山市の歴史的町並み地区、同様に観光客の増加した奈良市旧市街(ならまち)では、いずれも旺盛な店舗需要を背景として、同10%程度の高い上昇率を示しました。


また、今回の公示地価で商業地価格順位が全国1位(平米あたり5550万円、前年比9.9%上昇)となった銀座駅近接地点や、大阪圏の価格順位が1位となった心斎橋地区のなんば駅周辺(平米あたり1580万円、前年比22.5%上昇)も、いずれも訪日客増加による旺盛な物販需要が、地価上昇の背景にあるとみられます。


また、商業地では京都市の上昇率が東京23区を上回った背景にも、観光需要の高まりがあると考えられます。


再開発事業等の進展で特徴的な地価上昇がみられた地点として、国土交通省は福井駅周辺と長崎駅周辺を挙げています。


福井駅周辺では、福井駅西口再開発ビルである「ハピリン」が開業した平成28年4月以降、繁華性が向上していることに加え、北陸新幹線の延伸も見据えた大規模再開発事業も進展していることから、地価の上昇がみられます(商業地で同5.1%の上昇)


長崎駅周辺では、県庁舎の移転や九州新幹線西九州ルートの開業を見据えた再開発事業の進展に伴うホテルや店舗需要の高まりに加え、クルーズ船寄港数の増加等により市内観光客が増加していることから、地価の上昇がみられています(商業地で同19.7%の上昇)

また、今回、住宅地の価格順位が全国1位となった東京の赤坂地区周辺(平米あたり401万円、前年比9.0%上昇)は、複数の再開発事業が進展しており、マンション需要が旺盛なことが背景にあると考えられます。


商業地の上昇率5位、6位となった名古屋駅西口の地点(同25%程度の上昇)も、駅前の大規模再開発が起点となったとみられます。


今回の地価の全体的な動きは、地価に関するデフレ傾向がほぼ終焉したとみることができます。


ただし、全面的に地価が上昇したバブル期とは異なり、土地を取り巻く環境により地価の動きは多様なものとなっています。


今回の地価上昇のキーワードは、「観光需要」と「再開発」ですが、長期的な金融緩和に伴う緩和マネーが、それらのキーワードに沿って、三大都市圏や地方四市、さらには地方の拠点都市に流入したとみることができます。


2020年の東京五輪には訪日客を4000万人に引き上げる(2017年は3000万人弱)政府目標、各地で進む集客増に対応するインフラ整備、緩和が続く日銀の金融政策の下では、当面の全国的な基調としては、堅調な地価の推移を見込むことができます。






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