FC2ブログ

デート商法により投資用マンションを購入させられた者による、仲介業者、販売業者に対する損害賠償請求



独身男性Aは、出会い系ウェブサイトの利用登録を行い、この出会い系ウェブサイトを通じて、女性Bと知り合い、メールのやり取りをしたり、二人で食事に行ったりするようになりました。



その後、Aに対し、平成 20 年 2 月 6 日に建築された埼玉県川口市所在の区分所有建物の専有部分である不動産を、投資用マンションの販売を行っている販売業者Y社から購入するよう勧誘しました。



Aは、Bとともに販売業者Y社の事務所を訪れ、 A が代金2,360 万円で本件不動産を購入する旨の売買契約を締結し、販売業者Y社に対し手付金100 万円を支払い、同日、原告Aは販売担当者とともに銀行を訪れ、金銭消費貸借契約も締結しました。


本件売買契約の締結日以後、Bは、原告Aと会うことはなく、原告 A から送信されたメールに返信する回数が少なくなっていきました。


BはAからのメールや電話による連絡には一切応えなくなり、Aとの連絡に使っていた携帯電話の契約を解約しました。


不信を抱いたAは、大手不動産会社に本件不動産の売却の提案を依頼し、同社から査定価格 1,241 万円、マーケットプライス 1,168 万円から 1,303 万円までと算出した上で、本件不動産の売出価格を1,300 万円から 1,500 万円までとする提案を受けました。



2,360 万円の購入価格よりも約 1,000万円も低い、大手不動産会社からの提案を聞いたAは、Bらに騙されたものと考え、弁護士に相談、Aから依頼を受けた代理人弁護士は、コンサルタント業者、販売者Y社に対し、Bの勧誘により被った被害に関する各社の責任を追及し、契約の解消等を求める旨の通知を送付しました。


これに対し、コンサルタント業者、販売会社Y社は、Aの請求を拒絶する旨の意向を表明。


そこで、Aは、Bの勧誘行為は自身との交際をほのめかしながらされた詐欺的なデート商法であり、利益が出るかのような誤った収支シミュレーション表に基づく説明等が、不実告知又は不利益事実の不告知を伴うものであるなどの理由から、公序良俗に反し、不法行為に該当すると主張し、不法行為又は使用者責任に基づき、マンション購入代金相当額 2,360 万円等の合計 2,926 万円の損害賠償を求め提訴しました。



いわゆるデート商法により投資用マンションを購入させられた者が、勧誘者、その勤務先である会社や販売会社に対して損害賠償請求を行った事案です。


東京地裁平成28年3月1日判決


従業員Bが行った勧誘行為が、原告Aに対する不法行為となるか
【裁判所の判断】
以下の事実を認定

・Bが、Aに対し、本件売買契約の締結を勧誘する際、最終的な収支見込み額について約 630 万円の誤差を生じた誤った内容の収支シミュレーション表を見せていたこと。


・本件売買契約当時、本件不動産が、その代金額よりも 1,000 万円近く低い価値しか有していなかったと推認されること。

・Aが、本件不動産の購入によってBの歓心を買おうとし、Bに一定の信頼感を抱き、提供された情報を疑わなかったこと。


・Bは、Aから結婚したいとの意向を伝えられており、Aの意識、認識等を理解していたこと。


・Bは、Aの意識、認識等を理解し、これに乗じて、本件不動産の購入を勧誘し、Aの判断を誤らせるような情報提供をして本件売買契約の締結に至らせたものというべきであること。


Bは、Aの契約締結に係る意思決定に重要な影響を及ぼすと考えられる事項について誤った見込みを提供し、かつ、必ずしも代金額に見合った投資価値を有するとはいえない不動産の購入を勧誘したものであり、Aは、本件不動産の投資価値を理解した上で積極的にこれを購入したものではなく、Bに対する一定の信頼感をもとに本件売買契約を締結したものと推認される。


Bによる本件売買契約締結の勧誘行為は、本件売買契約に係るAの意思決定を誤らせたものであるから、不法行為に該当する。

と判断しました。


コンサルタント業者 ・販売業者 Y 社、販売業者代表取締役 は、それぞれ責任を負うか


コンサルタント業者の責任
【裁判所の判断】
Bは、本件ウェブサイトを通じて知り合ったA以外の男性についても、同様の勧誘行為を行っている。

Bの勧誘行為が、コンサルタント業者社の取り扱う不動産を購入させるための営業業務の一環として行われたものと推認。


コンサルタント業者は、その従業員としてBが行った不法行為につき、Aに対し、使用者責任に基づく損害賠償責任を負うと判断しました。

コンサルタント業者代表取締役の責任

【裁判所の判断】
Bを含むコンサルタント業者従業員が、顧客の意思決定を誤らせるような勧誘行為を行っていたことについて認識し得たと認めることはできない。

コンサルタント業者代表取締役に代表取締役としての任務懈怠を認めることはできない。

コンサルタント業者代表取締役に対して、会社法 429 条 1 項に基づく損害賠償責任を認めることはできない・・

と判断しました。


販売業者Y社の責任
【裁判所の判断】
・Aは、本件売買契約締結の際、その内容について販売業者Y社の担当者である宅建士から重要事項説明書等を用いた説明を受けている。


・販売業者Y社が、Bによる勧誘が違法であることにつき疑念を生ずべき事情は存在しない。


・契約内容などの通常求められる説明以上に、勧誘の際の違法行為の有無について調査し、原告にとって本件不動産に係る最終的な収支がいかなるものとなるかについて説明をすべき義務を負うものと解することはできない。


・コンサルタント業者が販売業者Y社から多額の手数料を得ていたことは、両者間の契約に基づく義務の履行であって、これが違法行為に対する対価として支払われたものであると認めるに足りる事情はない。


・手数料額が多額であることをもって、直ちに販売業者Y社の従業員がBの不法行為について認識していたものと推認することは困難である。


販売業者Y社について、不法行為責任を認めることはできないと判断しました。


販売業者Y社代表取締役の責任
【裁判所の判断】
販売業者Y社が原告に対し損害賠償責任を負わない以上、代表取締役は、販売業者Y社の代表取締役としての任務懈怠に関する責任を負わないと判断しました。


原告Aの損害額
【裁判所の判断】
・本件売買契約の代金として支出した 2,360 万円、弁護士費用として代金相当損害額の1割にあたる 236 万円は、女性B、コンサルタント業者の不法行為と相当因果関係を有する損害に当たると判断しました。


・Aが、Bの不法行為により損害を被るとともに、本件不動産を取得することによって利益を得たものであるから、その利益相当分は損害から控除すべきであるとして、代金相当額 2,360 万円から、裁判所が認定した本件不動産の価格 1,241 万円を控除した 1,119 万円を損害額とするのが相当であるとし、結局、Aは、B及びコンサルタント業者に対し、損益相殺後の損害額 1,119万円及び弁護士費用相当額 236 万円の合計 1,355 万円の損害賠償の支払を求めることができるとしました。


Aは、精神的損害に対する慰謝料ついても請求していましたが、金銭賠償により慰謝されたものと認めるのが相当であるとして、慰謝料については認められませんでした。


宅建業者とコンサルタント業者が通々であることが証明されなかったのでしょう。社会通念上は考えられませんがまあ証明できなかったので無罪放免は仕方ないですね。

可哀そうというか、自業自得といってよいのかわかりませんが女性Bの方ですね。

Aから求婚された・・等の証言からしても多分若いコだと思うのですが、ちょっとしたアルバイト感覚でデート商法に加担したばかりにコンサル業者と共同とはいえ、一千万円以上の負債を抱えることになった訳ですから・・


「A以外にも同様の勧誘行為を行っている」とのことですから今まで美味しい思いもしてきたのでしょうが、天網恢恢疎にして漏らさず・・悪事はいずれバレて、これを清算しなければならない時がやってくるのです。













不動産のことで何かお困りのことがございましたら当ブログまでお気軽にご相談下さい。
こちらのメールフォームから


お問い合わせ・ご相談は・・

LINE公式アカウント(旧LINE@)のチャットからお気軽に・・

友だち追加

友だち追加をして頂くとこのような画面が出てきます。

LINE公式アカウント


このLINE公式アカウントのチャットとは
あなたが通常使っているLINEとは違い、あなたの個人情報は保護されています。

こまかい話ですが、「既読」すら当方には分かりません。(お客様側はわかります)

もちろん上の画面にも書いている通り、何かの宣伝のような不必要なメッセージは当方からお送りすることは一切ございません。

あくまでもお問い合わせのやりとりのみに使用しています。

ですので安心してご利用下さい。




お電話でのお問い合わせは下記まで
(タップすると電話がかかります)
お問い合わせは・・

スポンサーサイト



タグ :   

カテゴリ:不動産の法律

不動産のことで・・

何かお困りの事がございましたら、当ブログまでお気軽にご相談下さい。 こちらのメールフォームから

ページの先頭へ

■アクセス解析タグ